タリバンと米軍が「反テロ」で協力か──カブール空港テロと習近平のジレンマ 米司令官「一部の情報はタリバンと共有している」

Three flying army helicopters on sunset background
中国はタリバンを支援する交換条件としてテロの撲滅を絶対条件とした。
今般のテロでタリバン兵士28人が犠牲になっており、タリバンはアメリカと協力してテロ組織をつぶそうとしている。これは習近平に痛手か?
■カブール空港テロでタリバン戦闘員28人が犠牲
8月26日、アフガニスタンのカブール空港でイスラム過激集団「ISIS(イスラム国)」による自爆テロが起き、85人が死亡したとロイター電が伝えた。それによれば
●襲撃により少なくとも72名のアフガニスタン人が死亡
●米軍は兵士13名が死亡、18名が負傷
●タリバンは少なくとも28人の戦闘員が死亡
●ISISの脅威にもかかわらず、避難は加速している
とのことだ。
注目されるのは犠牲者の中にタリバン戦闘員が28人もいるということである。
このたびの自爆テロに関して犯行声明を出したのは、ISISの関連組織の一つである「ISIS-K」で、「アメリカ軍の翻訳者や協力者」を狙ったと発表した。
ロイター電によれば、ISIS-Kは当初、パキスタンとの国境沿いの地域に限定されていたが、同国北部に第2の戦線を確立したとのこと。
ニューヨーク州のウェストポイントにあるテロ対策センターによると、ISIS-Kにはアフガニスタン人に加え、他の過激派グループのパキスタン人やウズベクスタン人の過激派が含まれているという。
タリバンとは敵対する勢力だ。
タリバンがアメリカと和平合意に至ったことに反対している。
■タリバンが米軍と協力して過激派ISISを打倒する
アメリカ中央軍の司令官を務めるフランク・マッケンジー将軍は、空港を標的としたロケット弾や車両爆弾の可能性を含め、ISISによるさらなる攻撃を警戒している」と述べ、
「一部の情報はタリバンと共有している」とした上で、「タリバンによっていくつかのテロ攻撃が阻止された」と付け加えた。
つまり、タリバンはテロ集団と戦っているということだ。
何よりも驚くべきは、マッケンジー将軍が「米軍の司令官はタリバンの司令官と協力してさらなる攻撃を防いでいる」と語ったことである。
つまり、「米軍がタリバンと協力してテロ活動を防いでいる」というのだ。
中国共産党が管轄する中国の中央テレビ局CCTVも8月27日正午のニュースでカブール空港テロ事件に関する特別番組を組んだのだが、
そこで中国国際問題研究院の研究員である崔洪建氏が「米軍とタリバンが協力して共にテロと戦う」という可能性を排除できないと解説していた。
そうなると、アメリカがここに来て、初めて「反テロ」に向けてタリバンと共闘するという、前代未聞の事態が現れるということになる。
■習近平のメンツはつぶれてしまう?
万一にもタリバンとアメリカが組んだとすれば、これはとんでもない事態がやってくる。
つまり、8月15日のコラム<タリバンが米中の力関係を逆転させる>で書いたように、もしアメリカができなかった
「アフガニスタンからテロを無くした上でアフガニスタンを経済成長させる」という秩序形成を、今後中国が成し遂げることができたとすれば、
世界は中国の方が国際社会の統治能力があるとして、アメリカより中国を高く評価する可能性が出てくるという「恐るべき現実」が横たわっていると指摘した。
しかし、テロが起きたことによって、なんと、「タリバンとアメリカが協力してテロ組織を打倒する」という構図になったら、
これは「前代未聞の構図」で、結局、アメリカが強かったということにつながっていく。
これでは習近平のメンツがつぶれてしまうのではないのか?
■それでも絶対に軍事介入できない中国
こんな格好のつかないことになっても、中国にはアフガニスタンに軍事介入できない事情がある。
イスラム教徒が多い新疆ウイグル自治区を抱えているからだ。
習近平はウイグル族が「東トルキスタン・イスラム運動」という過激派テロ集団に流れるのを防ぐために、ウイグル族を100万人ほど「教育のため」と銘打っている
収容施設に入れて思想教育を強化している。つまり思想的弾圧を断行しているのだ。
※続きはソースで
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アフガン軍を見捨てたのか?
しかし敵の敵の敵が味方という訳でもない