【アフガニスタン】アメリカは再び裏切られる? 「良いタリバン」の“仮説”に潜む落とし穴
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これに先立ち、米紙ワシントン・ポストは24日、CIA(米中央情報局)の長官がタリバン幹部と極秘会談したと報じた。アメリカはアフガンでいかに協力者を見いだし、彼らに何を期待したのか。そして、今後のタリバンとの交渉はどうなるのか。東京外大の篠田教授に聞いた。
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――アメリカはタリバンの誰と交渉しているのか
篠田教授 アメリカが見込んできたのが、タリバンの政治部門の責任者であるアブドゥル・ガニ・バラダルだ。現在のアメリカの政策は「バラダルは良いタリバンである」という見込みに依存している。しかし、アメリカが再び裏切られるかもしれない懸念は大きい。
バラダルは、タリバンの初代最高指導者ムハンマド・オマルと非常に近く、タリバンの創設メンバーの一人とされる。2010年にパキスタンで軍情報統合局(ISI)とCIAの合同チームによって逮捕されたが、2018年にアメリカの要請により釈放されたという特異な背景を持つ人物である。バラダルがカタールのドーハにあるタリバン外交事務所の責任者としてタリバン指導層に復帰した背景に、アメリカの画策があった。
本来のタリバンの最高指導者は、ハイバトゥラー・アクンザダである。だがアクンザダは、カブール陥落後も、全く姿を見せていない。何の発言も伝えられていない。そのため二年前の米軍の空爆によって既に死亡していた、という情報が、急速に信ぴょう性を持つものとして広がっている。もしこの情報が正しければ、宗教的な権威を担う最高指導者が不在の中、2020年2月のアメリカ撤退を決めるタリバンとの合意が締結されていたことになる。
バラダル釈放の要請を主導したのは、トランプ政権でアフガニスタン和平担当特別代表としてタリバンとの交渉を取り仕切ったザルメイ・ハリルザドだった。アフガニスタン生まれで、ブッシュ政権時代に駐アフガニスタン大使などを歴任したイスラム教徒の共和党系の大物だ。
異例の超党派の動きとして、バイデン政権は、ハリルザドを同じ役職にとどまらせた。その結果、ハリルザドは、バイデン政権成立後も、カブール陥落直前の時期も含めて、カタールのタリバン事務所にいるバラダルを訪問したりしながら、合意履行に尽力し続け、アメリカのアフガニスタン政策に影響を及ぼした。
なおバラダルは、2021年7月にタリバンの代表団を率いて中国を訪問し、王毅外相と会談した。「中国はアフガン人民が信頼できる友人だ」と持ち上げるなど、新思考的なタリバンを代表する指導者である。タリバン政権の本格的な成立後には、大統領に就任するのではないか、との観測もある。
バラダルと同じ部族の出身であるカルザイや、ガニと対立しながらバラダルを相手とするタリバンとの交渉の(アフガニスタン)政府代表を務めていたアブドラ・アブドラ国家和解高等評議会議長などは、カブール陥落後にいち早く新生タリバン政権に食い込む動きを見せた。
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――アメリカは反タリバン勢力を支援しないのか
篠田教授 バイデン政権は、共和国政府のアフマド・マスード、アムルラ・サレー第1副大統領、ビスミッラー・ハーン・モハンマディ国防相らパンジシール渓谷に集結した反タリバン勢力に対して、全く反応を示していない。武力でカブールを制圧したタリバンに対して、憲法の規定にしたがってアフガニスタン政府の暫定大統領となっているとするサレー第1副大統領の主張には、一定の妥当性がある。それを考えると、アメリカの冷淡な態度は、むしろ不自然なくらいだ。
――過激派組織「イスラム国」分派の動きについて
篠田教授 アフガニスタンで活動する「イスラム国ホラサン州(IS-KP)」は、新タリバン政権について、新しいアメリカの傀儡政権にすぎない、と断ずる声明を出している。タリバンと戦い続けているIS-KPによる荒唐無稽な主張のようにも感じるが、それだけではない。バラダルとハリルザドの間の特別な関係にもとづいた、アメリカの新タリバン政権への「期待」を考えると、IS-KPが主張する「陰謀論」は「火の無いところに煙は立たない」ものだと考えることもできる。
バラダルがどのようなタリバン政権を作ってくるのかは、まだ不明だ。だがそれでも明らかなのは、バラダルがアメリカの期待に応えることを至上命題として行動することなどはありえない、ということだ。
8/27(金) 11:42配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210827-00330193-fnnprimev-int
https://amd-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20210827-00330193-fnnprimev-000-1-view.jpg
【無料】米国の撤退後にタリバンが押収したハイエンド兵器トップ10
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1630073782/
事実上ここはイギリスの管轄だし
アフガンを出汁にイラクや中国に乗り込むつもりなんだろ
それに失敗して撤退する
ハイバトゥラ・アクンザダ師(60)
…イスラム法学者で権威担当
3人の副官:
ムハンマド・ヤクーブ(31)
…タリバン創設者オマル師の息子
軍事委員会トップだが,経験は少ない
アブドゥル・ガニ・バラダル(53)
…オマル師と共同でタリバンを創設,対外接触担当
シラジュディン・ハッカーニ(48)
…武闘派ハッカーニ・ネットワークの現トップ
タリバンとは別に米国にテロ指定された
アルカイダ,ISなどとも繋がりがある